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自分にとってハイブリッドという言葉を聞くとまず頭に浮かんでくるのはトヨタの車プリウスだ。世界に先駆けいち早く実用化されたエコカーで、今日では街に出たらプリウスが走ってる姿は必ず目にするほどだ。ハイブリッドって英語で「hybrid」と書くが辞書を調べたら「 *hy・brid /háibrid/ [名] 1 (動植物の)雑種;(人間の)混血児[種] a hybrid variety of sheep雑種の羊. 2 (異質の要素の)合成物. 3 《言語学》混種語:異なった言語に由来する要素が結合してできた語(例:courtship仏語+英語, because英語+仏語). ⇒BLEND[名]2, CONTAMINATION 3, PORTMANTEAU WORD ━━[形]〈動植物が〉雑種の;〈人が〉混血の;〈単語が〉混種の hybrid securities複合証券. [ラテン語hybrida(豚と猪いのししの混種)] とあった。
実は近年、オーディオマニアの間でも「ハイブリッド」という表現をよく耳にするようになったのだ。音を出すスピーカーを駆動する機器である「アンプ」というやつだがその主な部品として昔真空管は盛んに使われた。しかし、集積回路及びICチップやデジタル技術の進歩に伴って真空管は徐々に姿が消えていった。真空管の「欠点」と言えば、いっぱい挙げられるが「電気を食う」;「熱が出る」;「体積が大きい」;「寿命が短い」;「高い」などなど。私の大好きな真空管アンプ300Bを例にして言うと5~10ワットの出力を出すには最大300ワットの電力が必要なのだ。つまり効率がすごく悪い。しかし、真空管は「良いところ」もある。なんといっても真空管の音は繊細でジャズやボーカルなどを表現する「人声」の生々しさが一番の魅力だ。特に夜になるとバーでも自宅でも照明を落とし真空管から出る暖かい幻の光が蝋燭の炎に照り合わせる中、ワインを飲みながらジャズを聴く、、、、;もう最高!これ以上の幸せがありません。なので、真空管は昔のような主役から去っていったといってもファンの間ではいまだに人気が高い。そんななか、WebネームTakazineという方が本来何百ボルトの電圧で駆動する真空管は一般家庭でよく利用される12VのACアダプターでも作動させることができることに辿り着いたのだ。いろいろと研究を重ねて「0dB HyCAA」という回路を開発してくれた。真空管+オペアンプのハイブリッドヘッドホンアンプだ。低歪み・高精度のオペアンプで組んだ出力バッファはテクニクス classAA回路を使っている。回路の入力段に真空管を1球使うが本来使う電圧の約20分の1の12Vで動くので省エネとなり熱もそれほど出なくなり寿命も大幅に伸びると推測される。低電圧駆動ということでまた、低歪み・高精度のICチップのお陰で真空管本来の歪率やノイズなどが大幅に改善されている。まさに真空管とICチップの良いところを取っての「ハイブリッド」だ。詳細は下記のリンクを開いてご覧ください。
http://nw-electric.way-nifty.com/blog/files/HyCAA5.pdf
私はたまたまオーディオ関係のWeb情報を閲覧する中発見したのだが、これはもうやってみなくてはいられない。
部品を集めて、まずユニバーサル基板を使って第一号の試作が始まった。
 
試作途中の写真で真空管ソケットは未装着な状態
 
試作の第一号が完成して試聴したら、感動の一言だ。ノイズなど全くなく高域が繊細で柔らかくまさに真空管の音そのもので、低域も程よい迫力があって全域にわたって解像度が高くバランスに優れる。こんな音を聞くと癒されるし長時間聞いても疲れないと思った。Takazineさん、ありがとう!
 
普通ならここまでだが私は欲深い。こんな音はぜひスピーカーでも聞きたいと思った。もちろんヘッドフォン出力をパワーアンプの入力に繋げば一番簡単な方法でスピーカーで聞くことができる。が私はこのハイブリッドヘッドフォンアンプ回路を生かしスピーカーを駆動できるハイブリッドパワーアンプを自作することに踏み切った。
つまり、このヘッドフォン回路の次段にパワーアンプICを導入することだ。電源の利便性を考えれば同じ12Vで駆動できるICが望ましい。それで選定したICがこれだ。Philips製のTDA1552QというパワーアンプICで、もともとカーオーディオに開発されたチップだが高音質で好評なので入手性にも優れ、自作派に都合の良いものだ。調べたら基板の完成品があったのでさっそく手に入れたのだ。試作の第一号ではユニバーサル基板を利用したが今度はTakazineさんが発行した真空管ソケットも装着できる基板をパワーアンプ基板とともに導入した。
 
TDA1552Qパワーアンプ基板
Takazineさんが発行した基板   「0dB HyCAA」
V-AMP は[OPA2604AP]を、C-AMPは[NJM5532DD]を採用。いずれTakazineのお勧めのオペアンプだ。第一号よりは部品が多くなったが回路はもう暗記できるほど覚えているからさらに既成基板導入のお陰で半田付けはとてもスムーズだった。約2時間ほどで完成。いつも通りシャシーは100円ショップの木箱「三合の桝」を活用。これまで自作したアンプの中で一番まとまりが良く空間的にも無駄なくこの小さな木箱を存分使い切った気がする。そしてもう一度中高生時代にラジオ自作した時のような達成感を味わうことができた。
 
肝心の音はどうかというとこれもまた感動!(最近は感動が多すぎる!?)。皆さんもぜひお聞きください!
 
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