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300Bの導入とPCL86の自作に伴って、予備として真空管を集め始めたのだが多めに集めた真空管は自分に必要な予備を残して余った分を真空管アンプ愛用者の方にお譲りすることも考えている。お金のためじゃなく真空管アンプの楽しみを愛用者の皆様に分かち合うためだ。できるだけ正確な情報をご提供し、試用の経緯や試聴の動画をアップロードして真空管アンプの愛用者の皆様のご参考になればと思っている。

このような形で届けてくれた米国National Union社製のJAN-CNU6SG7というメッシュシールド仕様のガラス管球だ。今回入手したものは小箱がついてなくばらパッケージになっているが保存状態が非常によく球体にカビやサビなど一切なくピカピカの新品(NOSと言ったほうが適当かな?)と確信している。前の世紀30年代から50年代にかけて米国では真空管ラジオは家庭に普及していた。特に短波ラジオ放送を聞くのがブームだった。広大な国土を持つ米国では各ラジオ放送局は自分たちの電波をより遠く米国全土に飛ばすために短波放送に力を入れていた。しかし、何千キロも離れた場所で受信した短波信号が弱く短波ラジオに増幅率の高い真空管が求められたのだ。そこで誕生したのはこの6SG7という五極管だ。そういう経緯からこの球は高周波(短波)の増幅によく使われることで知られている。しかし、それはその時代背景の下での使い方に過ぎない。増幅管というのは入力された弱い電気信号を増幅させてから出力することだけだから入力された高周波だけを増幅し、低周波は増幅しないようには設計されていないわけだ。つまり、使い方次第で今現在でも真空管アンプの増幅段に活用できるのだ。日本ではこの6SG7を6SJ7や5693と同じように使う方がほとんどいらっしゃらないようだが実は最近、自分なりの研究調査で6SJ7と互換性があることにたどり着いたのだ。6SJ7の代わりにアンプに挿して試用した結果、メタル管の6SJ7に負けない音質となっている上に、外観的に300Bなどガラス球と調和のとれた融合性を持っている。特に夜間、部屋の照明を弱めて本領を発揮した6SG7GTが300B、5U4GTとともに暖かい真空管ならではの輝きを見せていてメタル球の6SJ7や5693では味わうことのできない雰囲気を演出してくれるのだ。なんといってもこの球はわりと入手しやすく相場も5693の半分程度で、6SJ7の愛用者にとってはもう一つの選択肢になってもよさそうだ。

真空管アンプの増幅段によく使用される6SJ7というメタル管は昔から有名ですが、特にその高信頼管といわれる赤球の5693は入手困難の状況が続いているなか相場がどんどん上がる一方となっている。ちなみに私もいくつか所有している。実は趣味でいろいろ調べる中、6SJ7と互換性のある小さくて可愛い717Aという球に目を引かれてできれば使ってみたいと思っている。海外のサイトを検索するうちに6SG7という球も6SJ7と互換できるという情報が見つかったのだ。自分も半信半疑で6SG7のDATA SEETを見てもピンの配列と内部構造は6SJ7と同じであることの確信は得られていないが意外なことに6SG7と717Aとはピンの配列と内部構造は全く同じということが分かった。717Aのヒーター電圧6.3V、電流175mAに対して6SG7のほうはヒーター電圧6.3V、電流300mAとなっていて6SJ7と全く一緒だった。じゃ、5693の代わりにこの6SG7を使ってみては如何?という考え方が生まれたわけだ。5693に比べこの6SG7はかなり安く入手できるし、300Bと同様なガラス管で互換できれば選択肢の一つとしてありかもと思った。試しに6SG7を2本入手して所有の6SJ7-300B/2段無帰還のシングルアンプに5693の代わりに6SG7を挿して聞き比べをやってみました。その結果、予想の通り5693と変わらない音質に自分の糞耳では聞こえている。測定機器は持ってなくて詳しいことは何とも言えませんが少なくとも自分の使用環境では聴感上、この6SG7も5693と同様、高い音質になっている。

というわけで、追加でややまとまった数で6SG7を手に入れたのだ。

下の写真は旧ソ連の軍用球で6Ж8というやつだ。米国の軍用球5693に相当するという説もあるがそれほど高くはない。今回入手したものは紙箱付きで、紙の質と仕様で判断すれば本物の元箱と言えそうだ。あるいは製造年代なりの元箱のようだ。球は前の世紀80年代製造されたものでこちらも保存状態が抜群に良くてピカピカだ。5693の代わりにテストをさせていただいた結果、全くと言っていいほど5693に遜色しない高音質を聞かせてくれたのだ。

以下の動画は6SJ7の高信頼球5693を基準に5693の代わりに旧ソ連の軍用球6Ж8とメッシュプレートの6SG7GTをそれぞれ差し替えて音の聞き比べをしてみたのだが、当然同一アンプで同一音源、同一プレイヤーで同一ボリュームで再生し、同一スピーカーに出力して同一デジカメを使って録音録画したものとなっている。良ければ皆様もお聞きください!その違いがお分かりですか?私の糞耳では違いを聞き取れませんでした。

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