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真空管の王様と言われる300Bを使った真空管アンプというのは私にとって昔からの憧れものの一つとなっている。若い頃はオーディオショップに毎年必ず何回も足を運んでいろんな300Bアンプを試聴したり、見るだけでもたまらない形の300Bそのものを目にしたりしていたものだ。けれど、買おうとは思わなかった。どちらも高くて安いシングルタイプも給料の一か月分相当の金額だった。ま~、頑張れば手を出せない金額でもなかったけれど家族や生活のことを考えるとアンプより買いたいものがいっぱいあるからだった。その後、子供の教育やマンションのほうにお金を回され、しばらくオーディオや撮影とか自分の趣味を忘れていた。愛用していたSANSUIやONKYO、PIONEERなどのオーディオ機器も知人やリサイクルショップに処分した。オーディオってもういいと思ったからだ。

しかし、昨年あたりから子供は社会人となり独立し、自分も勤めた会社から退職し暇が随分増えてきたのだ。するとパソコンを組み立てたりUbunuを導入したり、知人の依頼でホームページを作ったりして知らないうちに、ハイレゾにハマってしまった。そんな中、ヤフーオークションでふたたび300Bと出会った。300Bそのものの魅力の他に出品者の曰くローコスト、長期使用を配慮との説明文等々に惹かれてついつい手を出した。

落札したのは300Bシングルステレオ・パワーアンプで、6SJ7-300B/2段無帰還のシンプルな回路で構成されたもので、シャシーも配線も手作りで、さすがに真空管アンプ作りのプロと思った。ローコストをしていながらもコンデンサや抵抗類はかなりいいものを使っているようで音質もよく、出品者に感謝の気持ちでいっぱい。そして出品者に高い評価を書き謝意をお伝えして取引き完了。

ところが、約2週間経ったところだろうか突然故障した。少しショックだった。自分で回路を解析し直そうと一瞬思ったが出品者に相談して修理してもらうことにした。ま~、ローコストだししようがない。

 

真空管を4本外した状態です。これを梱包して出品者に返送した。

   部品と配線の様子

シャシーが小さいから部品の密度が高そうに見えるが問題ないと思う。半田付けもなかなかの腕前だ。私ならとてもできそうもないな~と思った。

1週間過ぎた頃に出品者から連絡が届いてどうやら電源トランスに問題が発生したとのことだった。電源トランスは中国製のものを使われていてローコストだから仕方ないかもしれないがこのままじゃまずいと思った。電源トランスを日本製のものに変えてくれませんかと、あとできればAC点火をDC点火にしてもらえませんかと出品の方にお願いしたところ、快諾をしてくれたのだ。部品の調達に多少時間がかかると覚悟しながらも短気な私にはきついものがあった。

300Bの帰還を待ち切れずにアンプの自作を決意したのだ。別ページにて詳細をご報告することにした。

話が戻るが嬉しいことに300Bがやっと帰ってきた。こちらの要望で部品の交換と仕様の変更に伴って一回り大きくなったのだ。ファーストリカバリダイオードによる整流回路も真空管整流になり管球が一本増え、増幅管と出力管を合わせて5本となった。ますます真空管アンプらしさが出てきて出品者のご協力に感謝している。

整流管の5U4GBは中古を使われているがこちらで先々週あたりロシア製の同型番新品を買っちゃった。

     増幅管の6SJ7ですが

ヤフーオークションでその高信頼バージョンとされている赤の5693を入手した。高かった!

出品者の方、有難うございました!

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